20番両開き分岐器(Wikipediaの嘘)

検索でお越しになった方の履歴を見ていて『20番両開き』という単語が目に止まった。さて、Googleで検索してみると、Wikipedia分岐器が先頭に来ている。その中に、こんな記述がある

JR北海道では石勝線高速化の際に楓駅(現、楓信号場)に日本で初めて20番両開き弾性分岐器を設置し、両開き分岐器最高の通過速度 120 km/h を実現した。

なにか、おかしい。5月21日の日記では、私は以下のように書いた。

さらに進んで、北陸線湖西線が合流する。この箇所は20番両開き分岐器が使われており、制限速度は90km/hである。

この記述は正確で、湖西線開業当時からこの箇所には20番両開きが使われている。Wikipediaの記述の方が誤りで、楓信号場に設置されているのは『20番弾性両開き曲線クロッシング分岐器』である。ただの20番弾性両開き分岐器なら、あちこちに設置されている。参考までに、国鉄/JRの在来線の分岐器の制限速度を表にしておく。

番数 片開き 両開き 片開き(曲クロ) 両開き(曲クロ)
8 25km/h 40km/h 35km/h 50km/h
10 35km/h 50km/h 45km/h 65km/h
12 45km/h 60km/h 55km/h 75km/h
14 50km/h 70km/h
16 60km/h 75km/h*1 70km/h 100km/h
20 70km/h 90km/h 120km/h

ちなみに、Wikipediaの『一線スルー』も突っ込みどころが満載である。Wikipeidaの記述はあまり信用しない方が良いという、典型例である。

*1:ただし、電車・気動車列車は80km/h