VIE→HKG

17:42にドアクローズとなり、17:47にプッシュバックを開始する。

滑走路へ向かい、着陸機を待つ。1機目のオーストリア航空機に続いて、フィンエアーが着陸、B12からRWY 34に入る。いよいよヨーロッパともお別れか、今回は4日間の工程であったにもかかわらず、結構長くいたような気がするな...と思いながら、18:05、エンジンがスプールアップするのを聞く。

が、スプールアップはしたものの、5秒ほど経過しても離陸推力にならない。とても嫌な予感がする。
そのまま、ブレーキリリースして走っていき、一瞬離陸推力になるが、すぐに元に戻る。滑走路を走っていき、誘導路から離脱する。特に案内放送などない。

そのまま止まることなく、オープンスポットに向かう。以前に一度だけ、エンジン不具合でゲートバックした経験がある。当時、7:45発だったNH14便羽田行きで、機材は744だったと思う。プッシュバックしてエンジン始動した時に警告が出たとかで、そのままゲートに戻って整備を開始、結局40分ぐらいの遅れで出発したように思う。今回、香港での乗り継ぎは4時間取ってあるので、少々遅れたところでなんとかなる。

スポットに戻る途中に機長から放送があり、右エンジンのトラブルでテクニシャンの点検が必要なため、一旦スポットに戻るとのこと。周囲ではそれほど困惑していない。スポットに戻って20分ぐらい経過したころであろうか、「点検に2時間はかかるので一旦バスでゲートに戻ってもらう」
との放送が流れ、乗客から嘆きの声があがる。まさかそんなことになるとは思ってもなかった。


それから10分ぐらいしてバスがやってきて、降機となる。バスはG01の搭乗口の下に着き、階段を上って搭乗橋を渡る。先ほどは下り運転だったエスカレータが今度は上り運転になっており、Gフロアまで戻る。
戻ると、モニターに「Next Information 19:00」の表示が。ラウンジで待つには中途半端な時間だな、と思っていると、目の前にいた香港人らしき人が、「ラウンジにいてもいいのか」、と聞いてる。「ノープロブレム」とカウンターの人が言ってるので、ラウンジに戻ることにする。

ラウンジの受付のおばさんに、「gate back my flight」と言うと「I know」と。ああ、I knowってこういう表現なんだと思う。そのことは私も知ってるから、ちゃんと把握してますよ、の意である。戻って、とりあえずオレンジジュースを取ってくる。さてどうしようか。

19:00になってラウンジの受付に向かうと、「Next info 19:30」とのこと。こりゃ、なんか長期戦になりそうな予感がする。あらためて、自分の旅程をチェックすると、香港での乗り継ぎは4時間ほどある。21時ぐらいまでに出発できれば、なんとかなりそうな気がするが、間に合わなければ香港でおいてきぼりになってしまう。

改めてルートの検討をするが、オーストリア航空はアジア方面の路線網が薄く、他は北京・上海行きしかないが、いずれも出てしまっている。ウィーン自体がフランクフルトと異なり、就航会社が少なく、唯一は20:15のイスタンブール行きに乗り、そこで関西行きに乗り継ぐぐらいか。
ただ、特典航空券なのでどこまで振り替えてもらえるのか不安でもある。

インターネットのオーストリア航空のWEBサイトに接続してOS67便の情報をチェックするが、Next Info 19:30のままである。で、これが19:30ちょうどに「Next info 20:00」にアップデートされた。なんかこれ、自動更新のスクリプトちゃうか、と思う。すでに予定出発時刻より1時間半以上遅れている。段々不安が増してくる。ラウンジ内の乗客も受付カウンターに行って色々言ってたりするが、この時点では何も決定していないので多分徒労であろう。遅延の見通しか、あるいはあまり想像したいことではないが、欠航するというのが決定すれば交渉は可能であるが、現時点では待つしかない。

20:00前にブラウザを立ち上げ、再度OSの運行情報をチェックする。20:00になっても更新されていない。
これは、遅発の見込みが立ちそうなのか、と期待が高まる。ラウンジ内のインフォメーションボードも更新されていない。20:04になったころであろうか。インフォメーションから戻ってきた香港人男性が妻に向かってなにやら首を振りながら言っている。近くに座っていた男性が「HongKong?」と聞いている。
その男性が「cancel」と言ったので、思わず「Cancel!」と叫んでしまった。天を仰ぎたい気分である。IST行きが間に合わないから、日曜日中に帰るのは不可能だ。

ラウンジの受付に行くと、ここでは対応できないからゲートへ行け、とのこと。あわててG01へ向かうと、そこには既に黒山の人だかりができている。ビジネスクラス向けのカウンターにも行列ができている。
背筋が凍る思いになる。どんどん代替経路が埋まってしまうではないかと。また、特典航空券なのでどこまで振り替えてもらえるか心配である。と、OSの係員がやってきて、「こいつらに続け」と出口の方を案内している。それに続いていくと、入国審査場があった。どちらにせよ出国キャンセルである。
係官にボーディングパスを見せて欠航した旨を言うと、ちらっとインフォメーションボードを見て、パスポートの最終ページにスタンプを押した。そんなところに押すなよ、と思う。

ここを抜けると、人の列がなくなっている。そのまま、出口方向に向かう。エスカレータを下りるとバゲージクレームで、カウンターらしきものはない。しょうがないので到着ロビーに向かう。
と、ここで、あれは入国審査の後のシェンゲンエリアの出発口に向かう案内だったのか、と思うが、どうしようもないのでわかりにくい導線でチェックインカウンターの方に向かう。窓口はもう2つしか空いていない。「フライトキャンセルになったんですが...」というと、隣のブロックのチケットオフィスに行けという。

行くと、ほとんど人がいない。ビジネスクラスのレーンが空いているので行くと、すぐにカウンターに招かれた。「フライトがキャンセルになってしまったので、再予約して欲しいのですが...」「行先は大阪で良い?」ということで、GHが端末を操作して新しい経路を探す。とりあえず、明日の同じフライトということではないので、振替はしてもらえそうだ。

SIN→KIX

飛行機を降りると、空港職員が立っていた。北京行きへの接続を案内するようだ。確かに、1:05発の北京行きがもっとも接続がタイトだ。しかし、その5分後の大阪行きへの案内は無いようだ。ゲート番号を再確認して、移動を開始する。

また同じ、T2からT3への移動である。しかし今度はT3の根元のゲートなので移動は比較的マシだろう。足早にムービングウォークを歩き、シャトル乗り場へ移動する。SQはMCT50分だが、最低でも1時間10分ぐらいは見ておきたいところ。

SYD→SIN(3912mile)

ネットで状況を見る。シドニーは快晴、但し29日の朝は荒れる模様である。JALで帰る人たちは大丈夫であろうか。

YSSY 280600Z 04022KT CAVOK 26/15 Q1002 NOSIG

TAF YSSY 280507Z 2806/2912 03018KT CAVOK
FM281000 35012KT CAVOK
FM281600 18015G30KT 9999 -RA SCT020 BKN080
FM290100 18025G35KT 9999 -RA SCT015 BKN035
FM291000 16015KT 9999 -SHRA SCT025
TEMPO 2818/2906 4000 RA BKN010 RMK
FM281600 MOD TURB BLW 5000FT


シンガポールは雨、熱帯のため時々強い雨が降るようである。しかし、気温が26度とシドニーと変わらない。

WSSS 280630Z VRB03KT 5000 -TSRA FEW014 FEW016CB SCT017TCU 26/24 Q1009 RESHRA BECMG FM0650 TL0710 NSW

TAF WSSS 280500Z 2806/2912 VRB07KT 9999 FEW018CB SCT020
TEMPO 2806/2810 3000 TSRA FEW012CB BKN015

大阪は昼間なのに気温9度。露天は-7度で相当空気が乾燥している。

RJBB 280600Z 29015KT 9999 FEW025 BKN/// 09/M07 Q1015 NOSIG

TAF RJBB 280511Z 2806/2912 30011KT 9999 FEW025 SCT050


flight awareで見ると、SQ241便はステータスが不明になっている。はて、と思ってふと前を見ると、シンガポール航空の飛行機がゲートに入ってくるところであった。時間は定刻の18時をちょっと過ぎている。これで18:10に搭乗開始は絶対無理だろう。周りを見ると、NZのオークランド行きとクライストチャーチ行きの搭乗が始まっているので、かなり空席が出ている。

18:47になって搭乗案内が流れる。トイレに立ち寄ってから、ゲートへ向かうが、その前におみやげとして適当な何かがあれば買おうとゲート周辺の店を見る。AUDが5$弱残っている。が、市中の店と比べるとちょっと..なものばかり。結局何も買わずに搭乗する。ゲートピンポンは...無かった。SQは座席管理が硬いので、まずインボラは起こらないのだとか。

座席は真ん中のバルクの通路側だが、隣席には残念ながら人がいる。しかも、カップルである。出発3時間前時点で見た限りでは、ここは真ん中の席が空いていたはずである。チェックイン時に何をどう動かしたのだろうか。出発時刻の19:10になって、漸く人の列が途切れる。が、なかなかドアクローズにならない。国際線って普通は10分以上前にドアクローズして、クリアランスを貰うために待つのが普通じゃないんだろうか。

ようやく、19:19になってドアクローズとなる。くだんの揉めていた中東風のグループは結局どうなったのだろうか。19:21にPush backを開始する。定刻より11分の遅れ、これなら上空の気流の関係なんかで少々遅れても大丈夫だろう。ターミナルが空港の北端にあるので、タクシーに時間がかかる。ランウエイエンドまでやってきてしばし停止、一機着陸するのを待ってA6から滑走路に入る。

SQ242便は、19:38にシドニー空港のRWY 34Lで離陸滑走を開始する。772ERだけあって、加速は早い。が、赤道から噴出す偏西風に逆らって飛ぶ便なので滑走距離が長い。Cross Ranway の手前200mあたりで漸くローテーション。さっきまでいたターミナルを横目に見ながら上昇する。

上昇を続けて気になるのは、シンガポール到着時刻である。ミスコネクションすると、関空到着は夜中になる。しばらくしてみると、予測が0:08ぐらいと表示されている。

これなら安心だ。ナッツが配られるが、ここで豆を食う気にはなれない。ふと見ると、到着予想時刻が0:54になっている。思わず声が出る。

0:54で1:30に乗り継ぐとなると、かなり厳しい。同じターミナルに着けば、乗り継ぎはできるかもしれないが、手荷物が付いてこれるか心配である。善後策を色々と考えなければならない。が、10分ほど経過してから見ると、到着予想は0:08になっている。

しかし、徐々に到着予想時刻が遅くなり、シドニー時間の20:55頃には到着が0:19と表示される。まあ、あまり気に病んでもどうしようもできないことなので、到着1時間前ぐらいまで気にしないことにする。


食事はビーフカレーかチキンだが、ラウンジでカレーを食べたことでもあるし、無難なチキンを選択する。普通の、鶏肉である。

食事が終わってトレイが回収されたのはシドニー時間で22:10。食事が2回出るフライトとしては、遅すぎではないだろうか。

SIN→SYD(3912mile)


7:17にドアクローズ。周りを見渡すと、いくつか空席が2つ以上並んでいるところがある。窓側の人の挙動も確認しながら、上空に上がれば移動を検討することとする。7:28にPush Back開始。定刻より23分遅れ。

SQ241便は、7:38に離陸を開始する。関空発で乗ったA333に比べて、馬力のあるエンジンで力強く加速する。

オーストラリア大陸に入ってから、さらに追い風が強くなり、Uluruの近くでは148km/hにもなる。対地速度で1038km/h出ている。ただ、相当遠くを飛んでいるので、アビームでもエアーズロックは見えないだろう。

到着の40分ぐらい前に、CAがイミグレーションカードを持ってやってくる。呼び止めて中国語バージョンが無いか聞いてみるが、持ってないという。入国審査の前にたくさんあるから、それを使えという。

その後、ノートPCを開こうとしたら、元々窓側に座ってたおばさんが戻ってきて、着陸の時は席をゆずれと。じゃあ、後ろにでも行こうかと思うと、やっぱり後ろの席の窓側を確保しているおじさんが駄目だと言う。こういう、わがままを言うのは当たり前なんだなあ、と思う。

現地時間で17:15になって、降下を開始する。思ったより早く高度を下げるものだ。

17:20になって、PAであとちょで着陸態勢に入れと。モニターを見ると、残り18分になっている。

17:38に着陸。着陸後のPAでは気温24度ということである。泳ぐにはちょっと寒いかもしれない。タクシーを続け、17:40頃にスポットイン...と思いきや、手前に止まりすぎたようでエンジンを吹かして少し前進している。
17:42にスポットインとなる。

ふと思い立って、隣の席の中国人に、ペンをあげることにする。入国審査の場面で、いろいろと書き物をする必要もあるだろう。ボーディングブリッジを降りたところでゲートの表示を見るが、緯度経度が書いていない。クラシックジャンボなどはINSで飛んでいるので、今でも多くの空港の各ゲートの下には緯度・経度が表示されている。南半球まで来たので、南緯の表示を見たかったのだが。

入国審査では、あっさりと通過する。これはもう、日本人の特権で、こういう時に日本の良さを痛感する。問題は税関である。オーストラリアは税関が非常にうるさいことで有名である。今回、ロキソニンやら下痢止めなどを持ち込むので、入国カードには1箇所YESの箇所がある。

KIX→SIN

SQのチェックイン業務はJALが受託している。荷物を提示してチェックイン。座席指定で見る限り満席に近い情況であったため、インボラを期待するが、出てきたのはエコノミーの搭乗券。GHがチラッと何かのリストを見ていたが、たぶんある程度のインボラはあるんだろう。ただ、チケットの予約クラスが安すぎるから、NH*Gとはいえ選ばれるのは望み薄と最初から思っていた。

チケットには、INVITE ANA LOUNGEと書いてあるが、サクララウンジをご利用ください、とのこと。

サクララウンジに入るのは初めてである。ラウンジ内は、外国人の方が多い感じ。食べ物はたいしたものが無いが、大きな窓もあり、雰囲気は悪くない。最近のANAラウンジが、無機質な方向に向かっているのと対照的に、素材感のあるやさしい色使いに癒される。

22:57に41番ゲートから搭乗する。満席に近いため、エコノミーは分割搭乗で行列ができているが、☆Gを生かして優先搭乗する。

23:18にはドアクローズとなる。なんと、結局隣の席に誰も来なかった。23:29、ほぼ定刻にPush backを開始する。

窓から離れているのでよく見えないが、貨物エリアらしきものが見えるのでA滑走路を南に向かっている模様だ。長距離便なのでインターセクションはせず、23:42にエンジンがスプールアップし、離陸滑走を開始する。久々のA330-300、やはり普段良く乗っている767-300ERや777-300に比べると非力な感じがする。

日本時間の5:37、PAが流れ到着予想時刻は5:10、気温は27度とのこと。さすがは赤道直下シンガポールである。