エキスポランドと吹田市

5月20日現在、吹田市のWEBサイトにはエキスポランドで発生した事故に関わるコンテンツが一切ない。検索してみても、何もひっかからない。市長が国土交通副大臣に陳情に行ったり、なんだかんだしているにもかかわらず、である。

そもそも、事故が発生するまでに吹田市は特定行政庁として何かしていたのであろうか、という疑問があった。これについて、相反する報道がある。

5月20日3時5分の毎日新聞<エキスポ事故>過去に総務庁が厳重指導 吹田市生かせずでは、

総務庁(現総務省)が97年3月、ジェットコースターの死亡事故を起こした「エキスポランド」(大阪府吹田市)について、無資格の従業員による遊具運転などの法令違反を指摘し、吹田市に立ち入り調査を含む厳重な指導を求めていたことが19日分かった。しかし、同市は立ち入り調査を実施しなかったうえ、指導の記録さえも残していないことが判明。枚方市大阪府でも所管の遊園地で同様の対応があり、遊具の安全確保に対する自治体のずさんな姿勢が明らかになった。

としている。これについて裏付け取材をしたであろうことは、後段の

吹田市建築指導課は、「文書の保存期限が5年間ということもあり、通知も見たことがない」と回答

というところから推測できる。それに対し、5月20日22時56分の朝日新聞エキスポランド、10年前に基準違反指摘されるでは、

同局は違反内容を市に通知。市は97年3月に立ち入り調査を実施し、国の運行管理基準の順守や事故対策訓練の実施を指導したという。

という、相反する内容になっている。

マスコミの取材が悪いのか、吹田市建築指導課の回答・対応が悪いのかは判断できないし、限られた人員で管内の全ての建築物について立ち入り指導しろなどと無茶を言うつもりは毛頭ないのだが、5月10日付け読売新聞記事

その結果、園側からの119番通報が事故発生から5分後だったことが判明。市は、スタッフに携帯電話を配備するなど、トラブル時の迅速な通報態勢を整備するよう指導した。

こんな言いがかりな指導*1をするならば、市のWEBサイトにまともな情報を載せるべきだと思う。大阪府などはきちんとした見解を載せているのだから。

*1:事故発生時は、現場を確認して事故の拡大防止を図る方が緊急であり、目撃した第3者よりわずか数分遅いことを指導するのはおかしい。常磐線三河島事故では、第2の事故が発生した後に三河島駅の信号扱所係員は指令に状況を報告しており、併発事故を防止するための行動を行わなかった。その結果、第3の事故が発生し、死者160人を出してしまった。運転免許の更新時講習でも、事故発生時は119番通報の前に併発事故防止を指導している。