ベニス・マルコポーロ空港→メストレ

バゲージクレームまで来たところで、携帯電話を取り出してホテルで落ち合う予定の客先の人に架電する。空港到着段階で電話すると言ってたからだ。ところが、auおるすばんサービスのトーキーが流れる。こっちのかけ方が悪いのか、と番号を見直すが、問題ないはずだが、段々自信がなくなってくる。

何度かかけ直すが、同じ結果なのでとりあえずバゲージクレームを出る。久々の海外なので、とても緊張する。いままではずっと制限エリア内だったが、ここからはパブリックエリアなのでスリなどに注意が必要である。とりあえず、ユーロのキャッシュが5ユーロ強しか無いのでATMを探す。なんどか到着口のあたりを見るが、それらしきものが無い。

また、自分の電話のかけ方がまずいのか、と公衆電話をかけようとするものの、国際電話のかけ方がよくわからない。八方ふさがりなので、とりあえずメストレに移動することにする。ホテルで落ち合うことになっているので、最悪ホテルのフロントから電話すれば良い話だ。

到着ロビーの一番端っこにATMの端末があるのを見つけたので、とりあえず50ユーロほど下ろす。バスチケットを買おうと窓口を見ると、19:20が出た次のバスは20:00になっている。だいぶ遅いが、私から客先に渡してある工程では20:30頃到着にしてあったので、まあいいかと思う。

それにしても、着電も無いのが気になる。こういうのを警戒して、月曜日の日の夕方に客先の携帯に電話して正常に着信するのを確認していたのだが。ネットに接続しようとipassを立ち上げてごそごそしていたが、上手く動かない。トラブルシューティングは別途やることにして、やってきたバスに乗る。乗客は数人しかいない。20:00にバスが出発する。マルコポーロ空港はさほど遠くないのだが、実際に走っているバスに乗っていた感想ではかなり遠く感じる。

市街地らしきところを抜け、大きな広場状の場所まで来たので駅に到着したのかと思いきや、そのままそこを抜けて走っていく。なんか狭い道に入って行くな、と思ったら、バスが停まった。なんか変な場所であるが、メストレに到着した模様である。前の席に座っていた乗客が、「ここは鉄道駅ですか?」と聞いていたが、私も同感だ。立体駐車場の横のような感じがする。降りて道の広い方へ歩いていくと、確かに鉄道駅があった。駅前に到着して、もう一度架電する。が、繋がらない。もうこうなると手段は一つ、ホテルのフロントに行って相手を呼び出してもらうしかない。あんまり英語で交渉したくはないのだが、仕事で来ているからしょうがない。駅前の、客先が泊まる予定のホテルに行き、フロントに行って話しかける。「ホテルゲストの○○さんとお話したいのですが」と。客先の名前を言い、綴りを言うが、端末を操作したあげくに「No」と返答が返ってくる。ガーン、という音が頭の中で響きつつも、めげずにメモ用紙を取り出して綴りを書き、再度検索してもらうが無し。

もう、この時間だと日本は真夜中なのでどうしようもない。「ホテルは旅行代理店から聞いた情報だったけど、最終の旅程確認書のコピーをもらっておくべきだったなあ」とか、「もう一人の電話番号も聞いておくべきだった」とか、「欧州事務所の担当者とも連絡をとっておくべきだった」とか、「これで落ち合えなかったらなんのために昨日いろいろと関係者にデータそろえてもらってとりまとめたのか」とか、「仕事で来ているのになんだこのざまは」とか、いろいろな後悔が一斉に出てくる。でもしょうがないのであきらめてホテルへ向かう。ホテルに何か連絡が来ているかもしれない。

到着したホテルは、事前にGoogleストリートビューで見て予想はしていたが、かなりな安ホテルっぽい構えである。チェックインは一人で対応している。パスポートやらホテルバウチャーやらを出すが、それらは見ずに名前だけでチェックインの作業を行っている。鍵を渡されるので「Room number is XXX?」と聞くと、番号が違うとかで新しい鍵を渡される。その昔、マドリッドのホテルで部屋番号を間違えられたことがあったので、これは聞くようにしている。

エレベータで2nd Floor(日本で言う3F)に上がる。エレベータ内には、Wifiは15分無料、追加15分で2ユーロとの表示がある。部屋に入るが、内側にかぎが無い。これはよくある、内側からも外側と同じようにシリンダー錠をかけないといけないタイプである。面倒くさいものだ。何かメールでも飛んできていないかと、インターネットに接続してみるがいきなり1.1.1.1にリダイレクトされ、ユーザーネームとパスワード入力画面になる。この手の、1.1.1.1なんて誰も使わないだろう的発想はいかんという話がJanogであった。

とりあえず、晩御飯を食べに行かないと話にならない。もう疲れているので駅の中のマクドナルドでもいいかな、と思う。とりあえず駅に向かってみることにする。駅について、食事をする前に雰囲気をつかんでおこうと1番線のあたりを歩いてみる。ふと思い立って、客先に架電してみると、なんと呼び出し音が鳴る。えっ、と思っていると客先が出た。聞くところによると、列車が猛烈に遅れ、今ホテルにチェックインしたばかりのこと。とりあえずホテルのロビーで落ち合いましょう、ということになって急遽ホテルへ向かう。

駅前のホテルのロビーには、かなりお疲れの表情の客先がいた。なんでも、パリからのTGVが猛烈に遅れ、乗り継ぎできなかったそうである。また、携帯電話も充電が危うかったので途中切っていたそうである。cdma方式のAU 3Gの電池の減り方とGSM圏ではかなり違いがある。とはいえ、それならそれでどっかでこっちに電話を入れてくれても良かったような気がするが....

ともあれ、今日はロクに何も食べてないそうなので、とりあえず晩御飯にする。ホテルの中にレストランがあったはず、と思ってロビーの奥にすすむと、レストランらしき構えの店があった。「ここはレストランですか?」と店員に聞くと、そうだというので中に入る。メニューを見るとイタリアンフルコースの店であるが、そこまで食べなくてもいいだろう。それぞれ、パスタをオーダーする。また、これだけではちょっとさびしいだろうと、Fishな盛り合わせをオーダーする。飲み物を聞かれると、客先が即座にビールを注文する。よほど飲みたかったのだろう。

無粋だが、料理が出て来る前に早速打ち合わせを開始。成田のラウンジで印刷した資料を提示する。だいたいの話ができたところで料理が出てくる。

22:15に手持ちのVISAカードで決済、80ユーロ程であったので、帰国後に会議費で処理することにする。駅の自販機で水を買った後、ホテルへ戻る。いい加減に寝たいところだが、シャワーだけは浴びて寝る。

Hotel Piaveに投宿。