HND→HNL

国際線ターミナルANAラウンジはかなり広いが、結構混みあっている。

23:40を過ぎても搭乗開始の案内放送が流れない。気になってフライトボードを見に行くが、まだ搭乗開始になっていなかった。23:45になってようやく搭乗開始となる。荷物をまとめて搭乗口へ。

機材はJA611A、B767-300ERのClub ANA ASIA機材である。関空〜羽田便で何度か乗ったことがある機材だが、ビジネスクラスはまあまあな座席だが、エコノミーはシートピッチが79cmで狭い。おまけに通路側のF席には足元にシートテレビのコントローラがあり、足元を圧迫している。これまで、ビジネスクラスばかり乗っていたので少々堪えそうだ。

ようやく24:00にドアクローズ、するがいつまでたってもプッシュバックを開始しない。PAで出発許可を待っています、とのことだそうで、クリアランスがもらえないのかと思う。この時間帯、アジア発ホノルル行きの便がそこそこありそうな感じだ。

NH1062便は定刻から遅れること17分、24:22になってようやくPush Backを開始する。C滑走路からの離陸かと思いきや、あらぬ方向へ走っていく。長い長いタキシングを経て、D滑走路へたどり着く。24:39になって、RWY05から離陸を開始する。B767-300ERはエンジン出力に余裕があるが、それでも国際線だけあって滑走距離は長い。2500mのRWY05の中心線あたりでローテーション、ゆっくりと上昇していく。

深夜便なのでサービスは省略かと思いきや、飲み物のサービスなどが始まる。こんな時間だし、さっさと寝かせてほしいのだが、パンやスナックの入った軽食の袋が配られる。

到着1時間半以上前に、機内が明るくなる。エコノミーの安っぽいおしぼりが配られ、機内食がサーブされる。「ポークの胡麻だれとゆかりごはん」なるものを選ぶが...

見るからに汚そうである。胡麻だれ色の豚肉はぼろぼろであるし、ゆかりご飯も色が混じって理科実験のような感じになっている。中央に配置されたサラミも、不気味さをかもし出している。

それにしても、いくらエコノミーとは言え、もう少し人間的な食事が出せないものかと思う。選択枝を持たせたいのか、炭水化物としてパンとご飯とそばを用意しているのだが、いまどき田舎の小学校の給食でもこんな取り合わせは出さないだろう*1。そばも、粘着テープを切りそこなったような固まり方で、つゆ以外の味がまったくしない。

サラミの裏に隠れているポテトサラダは、コンビニ弁当についてくるような安物であるが、まだ許容範囲である。サラミはまったくもって美味しくない。給食に出てきた真っ赤なハムの方がよほど肉の味がする。そしてその横のあえものは、残飯の味がする。食べ物は作ってしばらく置いておくと、腐敗し始める際に糖分などが分解されて最初に甘みが無くなる。丁度その味である。あえものを少し食べて気分が悪くなったので、ほぼ全量を残す。

嫁さんは「海の幸のトマトシチューにサフランライスを添えて」らしいが、少し手をつけただけで、手が止まってしまった。とても食べられたものではないらしい。

航空会社は、結局のところエコノミークラスをどうしたいのだろうか。こんなメシを出すぐらいなら、カップヌードルでも出してくれた方がよほど満足できる。この便のエコノミーの客単価がツアー客ばかりで4万円だとしても、100人乗れば400万円である。ビジネスの客単価は、正規運賃で乗っている人がそれなりにいたとしても、30万円ぐらいではないだろうか。そう考えてみると、満席まで詰め込んでいるエコノミーをどう取り扱うのかについて真剣に考えた方がいい。上級クラスでインカムを稼ぐビジネスは、リーマンショックなどで既に破綻が見えてきている。

今、ツアーで乗っている若い人が、こんな酷いメシを食わされた航空会社を、将来ビジネスに乗るポジションに就いた際に選択するのだろうか。ドラッカーの言葉を持ち出すでもなく、何のために経営するのか考えなくてはならない。

FL330で飛んでいたが、エンジンがスプールアップしてステップクライムしていく。それでもFL360までしかあがらない。低い方が被爆が少なくてありがたい。

到着30分ぐらい前から徐々に高度を下げ始める。3チャイムが鳴るころになると、青い海が見えてくる。PAでは風が強い、と言っていただけあって、気流があまり良くない。

定刻よりやや早く、12:29にホノルル国際空港に到着する。

*1:今から20年以上前の加古川市立野口小学校では、焼きそばとパンに牛乳が付いた給食が出てきた。