事故調の建議に対する国土交通省の対応

報道によれば、本日付で福知山線転覆事故の報告書が国土交通大臣に提出されたとのこと(WEBにはまだ掲載されていない)。その中に、建議が3項目含まれているとのこと。

これまで、事故調が建議を出す時には、事前に国土交通省と調整が行われ、事前に対応が行われていた。

「東日本旅客鉄道(株)常磐線列車脱線事故」に係る建議に対する対応について

では、建議と同じ日(平成18年9月6日)に、対策を命ずる通達が発出されている。福知山線転覆事故の中間報告でも、

JR西日本福知山線列車脱線事故に係る建議に対する対応

で、同日に通達が発出されている。

ところが、今回は同日での通達は出ておらず、事故調側が鉄道局側の調整を待たずに踏み込んで建議を発出したものと思われる。報道から得られるところによると、今回の建議の内容は、単に設備をどうしなさい、というものではないので、鉄道局側も簡単に対応を打ち出せないのだろう。これこそが、本来あるべき事故調の役割(行政側の背中を強く押す)ではないかと思う。