神戸ハーバーランドと横浜みなとみらい

神戸ハーバーランドは旧湊川貨物駅の再開発地域である。というわけで、同じく東横浜貨物駅等を再開発した横浜のみなとみらい地区と、つい比較をしてしまう。どちらも港町の再開発で、最寄のJR駅から少し離れているとか、バブル後に完成したとか、色々な共通点がある。

ハーバーランドはテナントの定着が悪い。「開港一番」という広告を出していた西武は、1994年に真っ先に撤退してしまった。現在のビーズキスが入っているビルも、以前はハーバーサーカスを名乗っており、末期にはテナントの流出が目立っていた。ハーバーランドダイエーの跡地も、なかなか埋まらなかった。

そして、今回プロメナ神戸がリニューアルしたので、帰りに寄ってみたが、やはり中途半端な感じがした。
プロメナ神戸の場合、ビルが細長い上に中央に大きな吹き抜けがあり、空間の利用効率が低い。ミント神戸のように窮屈な感じはないものの、テナントの賃料と売り上げのバランスに疑問の出るところである。旧ハーバーサーカスにせよ、オーガスタプラザにせよ、個々のビル単体で作られてしまっており、街全体の一体感が感じられない。

みなとみらいの場合、シンボリックなクイーンモールの存在がとても大きい。ランドマークタワーからパシフィコ横浜へ向かう太い流れがあり、圧倒的な存在感をもっている。少し前に開業したみなとみらい駅は、駅ホームの上が大規模な吹きぬけとなっていて、ステーションコアからホームに止まっている電車を直接見ることができる。欧米に多い構造であるが、大々的に導入したのは日本ではここが初めてだ。

それに対して神戸ハーバーランドの場合、最寄駅からの導線が非常にわかりにくい。神戸駅からソフマップへ、雨の日に濡れずに行こうとした場合、一旦プロメナ神戸へ入って2階まで上がり連絡通路を通ることになるのだが、この導線が非常にわかりずらい。神戸駅からキャナルガーデンに真っ直ぐ行けないのである。ここをメイン導線にできない、複雑な事情があったのではないかとおもわれる。
では地上を歩こうかと思えば、道路が街区を分断しており、横断歩道の配置も悪いので歩きにくい。車で来ても国道から駐車場の出入りに苦労するので、車優先に作られているとも言えない。

このような都市計画上・建築上の制約が、街の活気に影響を及ぼしているのではないかと思う。