新穂高温泉→槍ヶ岳山荘

3:55にセットしたアラームで目が覚める。まだちょっと寝足りないし、この時間に出るとヘッドランプの電池を消耗するな、という後ろ向きな言い訳を考えて2度寝する。4:30頃から準備を始める。5:00ちょうどにノートPCでtenki.jpを確認する。飛騨地方は晴れ時々曇りで、雨は降らなさそうだ。

5:25に新穂高温泉バスターミナルを出発する。林道を進み、穂高平避難小屋は6:10到着、6:20に出発する。林道終点には白出沢があり、ここの駐車場に折りたたみの自転車が3台と待っていた。別パーティーの人が、「槍ヶ岳日帰りとかする時はここまで自転車で来るんだよ」などと説明している。7:20に出発し、滝谷避難小屋には8:30到着、8:35に出発し、槍平小屋には9:25に到着する。ここまでは比較的なだらかな道のりで、標高差は大きくない。

槍平でおにぎりを食べていると、別パーティーの人から行き先を聞かれたので、「槍ヶ岳です」というと、そのパーティーも槍へ行くとのこと。「今日中は天気は大丈夫でしょう。明日も、午前中はなんとか持つと思います」と言うと、向こうも「今日中に上って、明日は降りてこようと思っています」とのこと。槍平は9:40に出発する。

槍平周辺は平坦な地形になっているのだが、それが終わる付近に標高2000mの標識がある。槍ヶ岳山荘はおよそ3000mなので、あと1000mも上らないといけない計算になる。コースタイムは5時間である。これまでとは変わって、登山道らしい上り勾配になる。樹林帯な上に、左側を奥丸山に繋がる稜線に阻まれており、展望が効かない。標高2200mの標識を10:20に通過する。最終の水場を通過して、しばらく行くと道は右側に回りこみ、西鎌尾根の稜線が見えてくる。もう少し進むと、槍の稜線が見えてきて、振り向けば笠が岳が見える。

千条乗越との分岐点には11:40に到着。槍平から2時間の道のりであった。天気が良く、景色がすばらしいので、少し長めの休憩を取ることにする。槍ヶ岳山荘には、ガスがかかったり途切れたりしている。午後になると、本格的にガスに覆われて、展望は望めないだろう。

分岐点を12:05に出発するが、ここから先は急登な上に空気が薄く、つらい登りとなる。1000m単位の標識があるごとに、小休止を取る。2700m地点は12:35に、2800m地点は13:03に到着する。槍ヶ岳山荘へガスがかかる度合いが増えてきた。分岐点付近から、右ひざがかなり痛くなってきた。トレーニングをしていないので足の筋肉が弱く、ひざに負担がかかっていたようである。また、2700m地点付近から頭痛が出始めている。やはり3000mへ1日で登るのは無理があるのか。

日本最高所の峠である飛騨乗越には13:50に到着。槍の穂先が見えるはずであるが、濃いガスで何も見えない。5分ほど経過すると、急に穂先が見えた。

槍ヶ岳山荘には14:12に到着する。喉が渇いていたので、自動販売機でCCレモン300円を買って一気飲みする。ビールを飲むにはちょっと早い。受付で宿泊手続きを行う。荷物を寝床に置き、デジカメなどを持って槍の穂先へ向かう。

槍の穂先からは360度の展望が望めるはずであるが、今日はガスでよく見えない。だが、しばらくいると飛騨側や信州側でガスが時々途切れ、それなりな風景を楽しむことができた。殺生ヒュッテ・ヒュッテ大槍などが、ガスの間からはっと現われ、一瞬にして白いモノトーンの中へ消えて行く光景などは印象的である。飛騨側などは笠が岳や双六岳などがよく見える。

30分ほど景色を堪能した後に下山を開始する。先行する団体客がとろいため、はしごや難所の手前で停滞する。といっても、たいした難所など無いと思われるのだが....小屋に戻って、とりあえず寝床で横になる。

17:00から夕食。1回目で席に着くことができた。食事はまあまあ。お茶を何杯も飲む。味噌汁は味が薄すぎる。頭痛がするのでビールは控えておく。

一旦寝床に戻り、19:30頃になってコンタクトレンズを外しに流しのところへ行くと、3人組みのパーティーが到着したところであった。受付は既に閉まっている。まいったな、とか言ってるとスタッフの人が通りかかり、「連絡してなかったんですが、宿泊したいんですけど」などと言ってる。いくら天候が良いとは言え、19:30はちょっと無理があるのではないかと思う。それに対してスタッフは「ではそちらの受付用紙に記入してください。夕食は食べられますか?」などと聞いているのでびっくりする。こんな時間に到着した客にまで夕食を提供するのか....

20:30頃に消灯となり、就寝する。